眩む病む荒む寒い未来を想像して、僕は二つ咳き込んだ。燃え盛る魂は身体という行き場をなくした。ため息ばかり出る。タバコの火も心の灯も足でもみ消される。夢は枯れ野を駆け巡るなら、愛は泥沼の底でもがいている。時間が解決してくれるなら、無為に過ごすかけがえのない一瞬の今について、どう責任を取ってくれるんだい?

時間がないから? ヒマ人じゃないから? 彼らは魂の脱け殻だ。一度表現者を目指したなら、溢れ出るパトスもロゴスもあるだろう。僕には火山の噴火口のような表現の欲求がある。放火魔よ、僕に火をつけてくれ。だが、火の海になった僕の心に身体が追いつかない。身体は死海で、火は線香花火ほどの寿命もない。

ありふれた言葉も嘘もいらない。他に二つとない真実の言葉だけ聞きたい。おしゃれなグレーのコートを脱いだ女の子、どんな言葉を吐いてくれるんだい? 109で売っているような言葉ならいらない。話そう、僕らの未来を。