ダメ男の優雅な休日

いつの頃からか……。僕はダメ男になってしまっていた。早寝遅起きの常習犯、いちにちじゅう干物男。このままではいけない! そう思ってもダメ男はダメ男。だめだめだーめだめだめだめ。ギャグを言ってもスベスベスーベスベスベルー。今の僕は何をやってもスベルトンなんだ。僕の師匠であるダンディ坂野の100倍面白くない。ゲッツもガッツもない甘ったれ人間なんだ……。

バチコーン!!

ヅラの係長が僕を殴る!

僕「ウッ、殴ったね」
ヅラ「殴ってなぜ悪いか。貴様はいい、そうやって喚いていれば気分も晴れるんだからな」
僕「僕がそんなに安っぽい人間ですか」

バチコーン!!

僕「2度もぶった。親父にもぶたれたことないのに」
ヅラ「それが甘ったれなんだ。殴られもせずに1人前になった奴がどこにいるものか」

ちっくしょー! こうなったら、まっとうな人間になってヅラの係長を見返してやるぅ! えなりかずきよりもまっとうな人間になるぞ!
僕はパジャマの格好のまま外へ走り出した。ラン! ラン! ラン! 走るー走るー俺たーちー、流れる汗も拭き取らず。僕は甘ちゃんなんかじゃない! 辛(から)ちゃんだ! お昼に食べるのはインスタント食品の辛らーめん。夜に食べるのは星の王子さま、じゅなくて超激辛スパイシーカレー。

僕は脇も見ずに走り続けた。走り続けることに正解があるのだと信じて。ランニングマンのQQQ。世界一のアスリートも今のQには敵わない……! 僕をダメ男界のQちゃんと呼んでくれ! ハイキングウォーキングのQちゃんなんか、エセQちゃんだ! 目の前にあるバナナの皮をひょいとかわし、お猿のように至る所を駆け回る!

「うっきぃ! 今の僕を見て! 僕、こんなに走れるよ!」