黒い実存

黒い実存と闘っていると君は書いたが、それは僕も同じだ。黒い実存に呑み込まれながら、または、黒い実存を吐き出しながら、自己満足に浸ったり、バランスを保ったり。人間が人間である限り逃れられない黒い実存から逃れようとして人間的でなくなるのも手かもしれないと思いつつも、やはり僕は人間でしかない。苦しいが、僕をそれでも狂わせようとする鈍色の翼を持った悪魔から、僕が思う大切な物や者と共に逃げ続けよう。死にたいが、死ぬのはまだ早い。僕は僕の魂=様々な色の実存を世界に刻みつけてから死にたいのだ。黒い実存と闘うことで産まれる尊いもの、誰かを想う愛や優しさや勇気の全てを守りたい、刻みつけたい。黒い実存が未来を閉ざそうとするのなら、未来は明日の連なりだから明るいはずだと信じたい。新品の真っ白なキャンバスが用意された明日は、まだ何色にも染まっていない。夕焼けを見よう。凛としよう。僕の全てを僕と世界と僕を取り巻く者たちに捧げよう。なんか笑えればいいね。